秀岳荘自転車売り場だより shugakuso3.exblog.jp

秀岳荘白石店自転車売り場や自転車ツアー自転車遊びのご報告


by shugakuso3
プロフィールを見る
画像一覧
通知を受け取る
カレンダー
S M T W T F S
1 2 3 4 5 6
7 8 9 10 11 12 13
14 15 16 17 18 19 20
21 22 23 24 25 26 27
28 29 30 31

   FFF(FattiesFitFine!)、、、か?2010



FFF(FattiesFitFine!)とは、サーリーのフレームに貼ってあるステッカーが示す理論で、”太い方が上手くいく”と言う様な意味です。一般的にはタイヤは細いほど色んな抵抗が減り、走りやすくなる(速くなる)と言われています。果たして本当にそうなのか?と言うこの理論、、、同じくバルーンタイヤでファットタイヤを追求するシュワルベビッグアップルタイヤ、サーリーのクロスチェックでこの理論を検証してみたのでした。
(ロード編)
まず、お客さんで、29のMTBにビッグアップル29×2,35を入れて室蘭まで往復してみたが、結構楽で、もしかしてロードで行くより楽だったかも、、、という方がいらっしゃいました。そうなれば、私としてもやってみたくなるのが人情です。
というわけで、実験です。
d0197762_171519.jpg

愛車、クロスチェック”バッドニュースアレン号”です。今回の実験は、29×2,0(700×48c)と言うスリックタイヤが使えるこのフレーム無しにはあり得ませんでした。ロード編の実験では、白石店から旭川店までほぼ平坦路を走ってロードレーサーとどう違うのかを検証します。
私の脚で、早朝の出発ということもアリ約5時間20分で到着しました。
タイヤは3気圧空気をいれ、パンパン。私の体重でも路面の接地面積は幅が1cm位で、路面の抵抗と言うよりは空気抵抗のほうが大きいのかも知れません。それ位見事なスリックタイヤで、且つ乗り心地は700×23cより柔らかいと思います。また不思議ですが、ホイルの直径が大きくなり、
且つ外周部も重くなりますので、いったん速度が上がれば巡航速度を維持するのは、、ひょっとするとこっちの方が楽かも、、と思われてくれました。
d0197762_17263361.jpg

日を改めて今度はロードレーサーで同じルートを走って見ます。
愛車チネリ”白いカラス号”です(持ってはいるのです、、笑)。フレームは古いものの、21世紀基準のロードと言ってもいいと思います。これで、同じ時刻に出発、上と同じルートで走り、5時間15分で旭川店に到着しました。これをどう考えるか、、ということになるわけです。途中の滝川辺りまでは、明らかにこちらの方が早かったのですが、その先辺りから、脚がいう事を聞かなくなり、騙し騙ししている内にこんな時間になっちゃった、と言うことなのでした。結局、自転車が硬く速く走れるのに、乗り手の性能が追いついておらず破綻が早かった、と言う事と思います。自転車の硬さ軟さというのは、フレームが双方鉄ですので、タイヤを含めたホイルにより違ったのでは?と考えています。せっかく速く走れる機材でも、乗り手がダメだと意味がなく、私にはFFF自転車のほうが合っていたのかもしれませんね。
d0197762_1728399.jpg

旭川まで往復するような体力は持っておりませんので、帰りは高速バスに乗せます。平日であれば、まずバスに乗せてくれるようで、2時間ほどで札幌まで帰って来れます。結構いいものですよ。是非お試しあれ。
d0197762_1732284.jpg

カムイコタンに入る前辺りです。実はこの時点で脚が終わっており、情けない話ですが、結構休憩を入れました。FATタイヤで休憩3回、レーサーで、休憩6回でした。鍛え方が足りないと機材の検証も難しい、、です。

(オフロード編)
FFF理論の白眉、ともいえるオフロードでの検証です。FFF理論は、タイヤが太くなりタイヤで衝撃を逃がせれば、結果的に長く自転車に乗り続けることが出来る、、という観点から成り立っています。また、設置面積が広くなることで、タイヤが凸凹でなくても、グリップしてくれるケースが増える、と言うことも考えているのです。と言うわけで、旭川まで走ったのと同じ仕様で、空気圧だけ落としてオフロードを走ってみることにしました。
d0197762_17351462.jpg

自宅近くの早朝のトレイルです。きっちり締まったダートでは何の問題もなく、スリックタイヤゆえの軽い走行感で楽しく良い汗かきました。ガレ場とか、泥でグチャグチャ、と言う所ではダメなんでしょうけど個人の感覚では結構いけるかも、、と感じました。
泥の場合は、タイヤに泥が詰まってしまい、スリックと同じじゃないか、、というご意見もありますので、どうなんでしょう?
少なくとも、私の使い方では、スリックでも問題はなさそうです。
d0197762_17364323.jpg

写真のような路面状況ではよほどやんちゃなことをしない限りシッカリグリップしてくれました。ちなみに空気圧は可能な限り下げていますので、硬いものに乗り上げて、リムうち、のリスクがありますので慎重に乗りましたが、、、。
空気圧が下がり、その分設置面積が増え、凸凹はなくてもグリップする、、というのが結構感じられました。

(MTBレース編)
折角ですので、MTBレースにおいても検証してみました。舞台は、DoRideさん主催の”自転車本舗プレゼンツ、MTB4時間耐久レース”です。このレースは高低差は殆どない広大な川原を周回するものですので、この車両でも行けそうな気がした(結構大変でしたが、、)のです。実際、完全なシクロクロスレーサーも何台か来ており、どちらかと言えば29インチのMTBに近いタイヤのこれなら結構面白いのでは?と思ったのです。
d0197762_17394184.jpg

レースに出るに当たり、長時間のしたからの突き上げに対処すべく、サドルを柔らかめのものに変えましたが、それ以外は殆ど同じです。空気圧は、とにかく低く。ガレ場はありませんでしたので、ターン時にタイヤが潰れる直前まで圧を下げました。これでグリップ力が上がるかなぁ、、。
d0197762_17402692.jpg

やってみて結構楽しかったのが、ステム横のチョークバッグです。
此処に一口チョコレートを大量に入れました。空気抵抗は上がりますが、何より出し入れしやすい。
ツーリングなんかでは使える装備だなぁ、、と思いましたが、、。
d0197762_17412246.jpg

試走時の写真です。スタート前は晴れてましたが、3時間を過ぎるくらいから雨が降り出し、前日の雨もあり路面は重馬場。登り坂で立ち漕ぎしようとすると、後輪がズリズリ滑り出すくらいでした。イヤハヤしかし来てしまった以上、あとははやるだけです。
一般的なMTBに混じって、29のフルリジッド、純シクロクロスレーサーも来ていました。29インチは、巡航性能に優れている、と言われますからこんな大会にはもってこいなんでしょうけど、あの重馬場で巡航するにはシッカリした脚が必要なんでは、、と思いました(私も思い知らされました)。
シクロの人は風のように走ってましたねぇ。こうなると機材云々と言うより乗り手の素晴しさに拍手するしかありません。
d0197762_17422089.jpg

4時間戦い終わったすぐ後です。途中の雨で、いたるところにいわゆる”ヌタ場”が出来、イヤハヤ滑って大変、しかし落車するほどではなかったのが幸いでした。ブロックタイヤの人を後ろから観察していましたが、ブロックでもやはりタイヤに泥が詰まる人もいるらしく、所々で落車をみました。丁度雪の上を走るみたいに、前後輪がドリフトしますが、落車しない分には楽しかったりして、、。登り坂では、踏みすぎると空回りするのでトルク管理が大変でした。しかしヌタ場以外では結構軽く走れた様な(一応スリックですからね)気がしました。4時間のオフロードでは、良くも悪くも自分が全て出てしまいますので、結果は全力を出し切れただけ良しとしましょう、、と言う所です。
しかし、今回のレース展開は飽くまでこのタイヤこのフレームだったからこそ可能だったと思っています。
レース会場まで自走して、泥除け外して空気圧を下げてレースにでれる、、楽しい車両です(帰りは車に載せてもらいましたが)。

総括
3つの観点からFFF理論、もしくはバルーンタイヤ、、を検証いたしました。結局どうなんだ、、というのは、ユーザーさんが自転車にどう取り組むのか?と言うことに関わりますので、結論は難しいです。ただ、私が経験した範囲で確かなことはタイヤが太くなるに従い、使い勝手の幅も広がっていくと言う事でしょうか。今回はスリックタイヤを試しましたが、空気を限度一杯に入れれば700×23c並みに軽い走行感で、高低差とか、追い抜き加速とか、競り合いなどと無縁の巡航レベルであれば、ロードと大差ない走りが可能でした。また空気圧を限界まで下げてあげれば、乗り心地も柔らかく、ガレ場、激坂根ッコの連続、、などでなければソコソコのオフロードも走れることが判りました。空気を抜くことで接地面が増え、トラクションもそれなりとはいえ上がり、タイヤが衝撃をいなすので、意外に滑らない、、と言うのは発見です。と言うのが今回の経験で判りましたが、それを中途半端と見るかオールマイティと見るかで、FFF理論の評価も変わる、、ということだと思います。
これはどちらがいいとか悪いとかではなく、乗り手がどちらが楽しめるのか、、ということになるでしょう。その意味で、どちらかと言うと生活レベルでの自転車の使い勝手を追求しているサーリーとしては、空気を入れたり抜いたり、、というだけでこれだけ幅の広い使い方のできる自転車になりうる、、わけですから、FFFと、胸を張って言い切れるんだなぁ、、とよく判りました。路面からの衝撃に如何に対処するか、、という観点でもタイヤが太くなると、車両本体はシンプルな構成にすることが可能になります。結果的に故障の少ない自転車にする事が可能になるわけですから、これまた生活レベルでスポーツサイクルに取り組もうとするサーリーにしてみればFFF,なわけですねぇ。こういった、いい意味で”中庸”の自転車から見れば、いわゆる21世紀基準のロード、MTBなどはかなり尖った印象になりますので自転車って奥が深いですねぇ。まさに乗り手がどう考えるかでFFF理論やサーリー自転車はよくなったり悪くなったりで面白いです。ただ、、私は今回の実験を通して、自転車と言う乗り物の奥深さに触れましたし、”温故知新”という言葉の意味を再認識しました。出来れば、最新モデル、最新理論をシッカリと経験なさった、、という方々にこの古くて新しい自転車の楽しみ方をご経験いただきたい、、と心より思う次第です。
by shugakuso3 | 2010-11-13 17:47