真駒内セキスイハイムスタジアムカップ2010
2010年 03月 22日
注)大会の詳細はDoRideホームページで御確認ください。 写真提供 KD様

愛車”鋼の猛牛号”ことPUGSLEY09モデルです。デオーレベースの18段変速に、シマノのメカディスクです。こだわりは、ハンドルがトゥルーテンパーのクロモリハンドル、、と言う所でしょうか(笑)。バフバフ、ブカブカ、ザクザクグズグズ、、様々な擬音語で表現されるような路面状況であれば一般的なMTBをしのぐ走行性能を有しておりますので、日中の最高気温がプラスに転じるこの季節の雪レースであれば期待できるわけなのです!ということで行ってみましたが、当日は日中も氷点下の真冬日、しかも前日までは+気温で雪が溶け、水溜りになったところが見事に凍りこのタイヤではメリットがあるどころかスパイクMTBが嬉々として跳梁跋扈してしまう、、とい状況だったのです。日頃の行いでしょうか、、。ご参加の方々もわざわざこれできたのか?と呆れ顔でした。これで、機材で人間の不足を補い、上位に行きたい、、というほのかな夢は費えました。しかし、考え方を変え、一般的にはPUGが不利、と見られるような路面状況でこのへぼを乗せてどこまで戦えるか、、を検証することに致しました。もうすぐスタートです。

12時に号砲一発、参加車60台ほどが一斉にスタート致します。このレースの面白いところは直前まで路面状況がどうなるか判らない、、と言う所ではないでしょうか?参加の方も、スパイクMTBは勿論、ノーマルタイヤMTB、フルサスからフルリジッドまで、おまけにシクロクロスまで来てました。よくよく考えれば、参加した車両の中で雪道の”レース”に勝つために設計された自転車は居ないわけで、こんなバトルロイヤルができるのも雪道レースの醍醐味でしょうねぇ。勿論私は多くの耳目を引きましたが、”こんなので、、”という冷ややかな視線を痛く感じました。たとえて言うなら”サラブレッドの中に飛び込んだ農耕馬”と言う所でしょうか。しかし来てしまった以上あとはやるだけです。負けてもともと、頑張るぜーというわけでスタートしました。

スタート直後は吹雪いてましたがレースが始まると段々天気がよくなって、走っている分には気持ちがいいくらいになりました(応援の方々は寒かったそうです)。後ろに大きなやぐらが見えますが、これはスノーボードのビッグイベントトヨタビッグエアーのジャンプ台の跡です。ビッグエアーの跡地で自転車レースをする、、というのは札幌ならではですね。

前を走る黄色のジャージの方と抜きつ抜かれつを演じました。ほぼ同じタイムで回っていますのでライダーの能力が近い、、と仮定して、後ろから自転車がどのような挙動を示しているのかを注視するようにしました。ズブズブ、、とは言わぬまでも、実は細かなギャップがあり、後輪が結構はじかれていました。それをバランスをとりながら走ってらっしゃったわけですが、私の場合は低圧タイヤが、細かなギャップを全て吸収してしまい、そのような挙動はまったくありませんでした。という事は、私の不足を自転車が補ってくれていたのかも知れません。レース終了後にお話を伺いましたが、夏の間はブルベ(400kとか600kとか走る超長距離系イベント)に取り組んでいらっしゃるそうでまさに私の不足を自転車が補ってくれていたわけです。そう考えると、確かにタイヤは太いですが、明かなマイナス要因、、というわけでもないのかしら、、。

今回のレースには秀岳荘から協賛させていただきました。写真では判りにくいですが、残り時間を示す時計の下に秀岳荘バナーを貼って頂けました。小さなバナーでしたが誰もが必ず見るところに貼って頂き有り難いことでした。これからも何かしら御協力できれば、と思います。本州地方のMTBバイカーの方々、これぞ雪国自転車ならでは!という体験が出来ますよ。ぜひご参加ください。御不明はDoRideさんまで。

このタイヤの見せ所、ともいえるズブズブの水溜りですが、距離が短いので、MTBでも勢い良く突っ込めば何のことはありません。此処を中心に走ってましたら、水しぶきが車体で凍ってしまい、気がつけばF変速機が動かなくなってしまいました、、。この辺が私のレーサーとしての経験不足といえるところで、ただ機材が、、というだけではレースには通用しないんですね。トップ選手には合計5回ほどラップされましたが、あきらかに出力が違う感じで、やっぱり自転車は人間ですねぇ、、。私のほうは90分を過ぎる頃から明かに出力できなくなってきました。途中の補給とか、まったく考えずに走ってきたのが原因です。やっぱりレースってのは難しいですね。

大体、90分前後の一枚です。前述の方に徐々に引き離されて来ました。さすがにブルベの方は長丁場に強いです(というより私の練習不足ですが、、)。エンドモーフタイヤはそのルックスからすれば意外に走りが軽く(これは乗ってみないと判らないんですよねぇ、,)。今回のような平地メインのコースの場合は、一般的な26インチより慣性モーメントが働き、細かなギャップはタイヤの方で包み込んでしまい、前進を阻害する要件になりにくい為に、実は一般的に思われているよりもオフロードを走る、という観点からはデメリットにはなりにくい、、と考えています。それを立証するには、全く同じ条件で、同じライダーが同じ走りをしなければなりませんので、、推測の域をでませんが、、、私の印象では、今回のレース展開はこの車両だからこそ可能だった、、と思っています。まぁ、魔法の杖のような性能は発揮できませんでしたが、明らかなネガ要因ではなさそうです。その上で、ズブズブであればこれの独壇場となりうることを考えれば、やっぱり凄い自転車です。

様々な思いを載せまして120分の戦いは終わりました。1周約1,1kのコースを27周。出走49名(ソロクラス)中26位という成績でした。ずば抜けた何かを示すことは出来ませんでしたが、得るものが多い120分でした。応援の皆様有難うございました。また主催者の皆様、お疲れ様でした。

レース終了後、お客さんが撮ってくれました。個人的には前腿より内腿のほうが攣りそうで、足がきちんと回せていたのでは?などと感じておりました。しかし、、、実は完全に出し切っておりましてこの後、よろよろと倒れてしまいました。
総括
私がこの手の自転車に興味を持ち始めたのが、スパイクMTBで札幌市内を走っているときに、30cmにもなろうかというパウダースノー、グズグズに溶けた春の雪、、などでハンドルを取られてしまい、自転車から降りて押さねばならなかったという悔しさをどうにかしたい、、というのがきっかけでした。そしてたどり着いたPUGはその点では素晴しい一台で、私の冬遊びにはなくてはならない一台になりました。まさにカタログに言う所の”LargeFootprint leaves less Footprints”な自転車だったわけです。今回のレースではその性能を満天下に示せれば、、という下心が裏目に出たか、スパイクMTBが大喜びする路面状況での戦いになりました。その内容に関しては今まで述べてきましたように、MTBでも走れる路面状況ではPUGが大きなアドバンテージにはならないものの、世間が言うほどマイナス要因にはならない、、という事を実感できました。その上で、PUGでなければ走れない、、様な条件下では、その走破性は圧倒的であることを考えれば雪道を走る上で最も幅広く使える1台なのだ、という捉え方ができると思いました。また、基本レース活動をしない私としましてはレースをするにあっての準備だとか練習だとか、、そういった基本的な部分が決定的に不足していることが痛感される結果となりました。90分過ぎた辺りからの体の言うこと聞かなさといったら、、。自分の体をどの程度追い込めばどういった反応があるからそうしないためにどのような手を打つか、、という準備が全く出来ていませんでした。こんな状態では、仮に路面状況がPUGが大好きなグズグズ、ズブズブだったとしても、元気に走れるのは開始30分くらいのもので、竜頭蛇尾とはこのことか、というような結果が待っていることは明白です。そうならないためにも、何かをしなければ、、というのを痛感するレースとなりました。しかし、このレースは楽しい。走るほうも応援する方も、、、。そして、こんなレースが札幌市内で可能、と言う所がまた楽しいのです。家族も応援に来てくれましたので、家庭サービスが出来た、と言う点でも素晴しい日曜日になりました。このレースはまだまだ開催されるようですのでまた参加させていただければ、、と思います。主催者の方々、参加なさった方々、お疲れ様でした。また御一緒できましたら幸いです。