TheBROMPTON ロンドン研修ツアー2011 その2
2011年 02月 19日
自転車の部品になって行くかを描きましたが、今回はその部品の集合が如何に行われ
ていくのか、、を描いていきます。どうなって自転車ができて行きますか、、。
BROMPTON工場編その2
品質検査場の片隅にひっそりと置かれたカラーサンプルをかねた実車。私の
記憶に間違いがなければ、2004年の東京自転車ショウに来ていた展示車両
です。懐かしかったなぁ、、。しかし、、使い込まれてますねぇ、、関心。
これまた感心しましたのが、不良品を集めた棚でした。
色々なエラーを繰り返しながら現在にたどり着いたのだ
というのが良く分かります。チタンフォークが破断した、、
様なのもありましたが、、。実はこの辺のはスタッフが
乗り込んでいるうちになったものが多く、BRが原因の
深刻な事故というのは無いようでした。BRの運用に
関してはメーカーとしてものすごい神経を使っている
様です。運転する側としても細心の注意を払いたい
ものですね。
BRは、特殊パーツのオンパレードの自転車です。この辺のパーツも
材料を作ってもらうところまでは外注ですがそれを組み立ててしっかり
動くか否かを確認するのはロンドンでなされています。よく考えれば
シフトレバーを自社工場で作る、、自転車メーカーがどのくらいある
でしょう?それを考えると頭が下がりますねぇ。フロントのバッグシリーズ
なんかも最終的なところはこの工場でやっているようでした。
色が塗り終わったフレーム部品です。これをヒンジでつなぎ
フレームにしてそれにさまざまな部品を取り付けていき、最終
的に一台のブロンプトンになります。一つ一つの工程が
担当者によって完結するようになっており、フレーム番号
さえ分かれば、誰が何時作業したかがキチンと判るそうです。
本国ではフレームなどの色の組み合わせができる様に
なっております。日本向けではまだ難しいようですが、
さまざまな問題をクリアして、実現したい、ということでした。
ピンクの票が組み立て内容を明記したものです。このオーダー票に
従い自転車が組み立てられていきます。最終的には、チェックマンが
オーダーと実車が合致しているかを確認して、晴れて完成、となるわけ
です。バーコードで管理してますので、不具合が出たときも責任者
が即座にわかる仕組みになっています。
タイヤの組み付け作業です。ホイルも一本一本作られていました。
本国で実走しているBRは私の印象ではタイヤがシュワルベを
つけているのが多かったように思います。後はコジャックでギンギン
に走ってます!という人も意外に多かったなぁ。
フロントセクションがにょきにょき生えてます。組み立てを見ていて
面白かったのは、結構自転車をさかさまにして作業しているシーン
が多かったことでしょうか。後述しますが、BRオリジナルの自転車
組み立てスタンドは、ぜひ一台当作業場にも欲しい位です。
写真はダイナモライト仕様ですね。
まさに蝶のように舞い、蜂のようにボルトをねじ込み
まるで人生を謳歌するかのようなウキウキ感を撒き散らし
ながら作業してました。自分も、こんな風な職人技
を見せつけながら作業できる様になりたいものです。
写真は、Pハンドルです。今ひとつブレイクし切れま
せんが、根強い人気のようですね。かのアンドリュー
リッチーは「俺はPハンドルが最高だと思うんだよなぁ」
といってました。いったん使ってしまうと止められない
ということなんでしょうねぇ。
組み立てマイスターをもう一人。この人もにこやかに、、しかし
真剣に作業をしてました。作業台も近年新型に変わったそうで
作業がしやすくなった、といってました。何年この仕事してる
の?と聞いてみると「8年やってるよ」ということでした。
この状態では正立していますが、シートピラーを引っ張るとくるりと
逆さまになるのです。ウームうちにもほしいなぁ。
マネージャーの話では、基本的にはさまざまな作業を体験して
もらうことで、今自分がやっていることが、BR自転車全体の中
でどのような位置を占めるのか、、工場全体の中でどのような
立ち居地にいるのかをしっかり理解してもらい、もし欠員が出た
時にカバーできるような工場にしたいんだよ、、といってました。
見習わなくては、、、。
こうして、自転車として完成し、検査マンのチェック
を受け、梱包されて、イギリス、または世界に向けて
出荷されていくのです。ブロンプトンは、本国では
セミオーダーのようなシステムを運用しております
ので、実はものすごいバリエーションのブロンプトンが
出来ます。それをキチンとやっているんですから
凄いの一言ですね。
総括
以前から、、伝説として聞いておりましたブロンプトンの自転車工場を拝見する機会に
恵まれました。実を言うと、ほかの自転車工場を見たことがありませんので正確な
比較は無理ですが、人の手を経るもの造り、、と極力合理化を目指す機械化、、
この双方がとてもよくバランスしているのが今のブロンプトンの工場ではないのか、、
という感じを受けました。それと前述しましたが、ディズニーランドでは、掃除のアルバイト
の人でも、その仕事にはっきりとした使命感を持ち、それを楽しみながらやっている。
それがお客さんにも伝わっている、、。それと同じことがこの自転車にも言えるんだろう、、
と思ったしだいです。それ位彼らは楽しそうでした。また、最も長くBRに勤めている人の
お子さんだったか、、親族の方もBRにお勤めだそうで、単に仕事で集まっている、、
以上の何かがこの工場には充満しているんだろうなぁ、、と思いました。
しかし、、短い時間でしたが面白かったですね。自転車、、作りというと一般的にはフレーム
を作って、そのほかは部品として出来ているものを組み合わせる、、ことが多いのですが、
このBRに関してはその部品までを自身で作るほうが多いわけですから、、普通の自転車、、
とはまったく別なアプローチが必要だったわけです。それをキチンと機能させているわけ
ですから、BR社の努力に頭が下がる思いが致しました。
こうして工場見学編は終了し、次はBRを形作る人たち、、をご紹介していきます。
次回から、私が見たところのBRが出てきます。私見が多い話になりますので、
ご意見たがえてらっしゃる方はお心安らかに読み流していただき、ご不明のおあり
と言う方はお尋ねください。