TheBROMPTON ロンドン研修ツアー2011 その3
2011年 02月 19日
今回は、ブロンプトン自転車の自転車以外の部分をお伝えすることで、この会社の
雰囲気のようなものをお伝えできれば、、と思います。とにかく楽しく、、ブロンプトンを
愛する人たちでした。
ブロンプトン社、、編1

社内に入りますと、まずは過去の名車たちが私たちを出迎えます。緑の
機体は、1970年代に試作されたものと聞いております。アンドリューの
アイデアにもっとも忠実に出来ているもので、これまた名車ビッカートン
の影響がうかがえます。この状態で実走が可能だそうです。ビッカートン
といえば、BR社に向けて歩いている最中に一台走ってましたねぇ。

赤い機体が、1983年に最初にロールアウトした量産品、、と聞いて
おります。現在のブロンプトンに通じるものが確立されており、基本
コンセプトは変わっていないんですね。左クランクが折りたためる
様になっていたのは知りませんでした。

おそらく20世紀終盤のモデルで、現在のブロンプトンとほぼ同じ形に成熟
しているモデルです。フロントのアダプタブロック、キャリアなどが追加され
”自転車を折りたたんでいかに生活の中で活用していくか”というコンセ
プトがこつこつと発展してきているのが判ります。おそらくネオバイク
ブロンプトンはこのころのものを参考に作ったんでしょうね。(時代考証
は推測に基づきますので違っていましたらご指摘ください)

過去のブロンプトンの販売資料と、優れた輸出品に送られる
クイーンエリザベスお墨付きの賞(正式名称は存じません
ごめんなさい)が中央の青い賞で、それを冠した資料です。
ちなみにこの賞を受賞したころに造られたBRにはそれを記念する
ステッカーが貼ってあり、私の愛車もまさにそれです(2004年型L-3)。

整然としたオフィスにBRがちょこんと置いてある姿はやっぱりいいもの
ですね。いわゆる事務所で、マーケティング、経理、、などの会社と
しての中枢がここです。左一番奥に創業者のアンドリューリッチー氏
が仕事してました。
実はここには、結構なお宝品というか、お見せできないものが転がって
おりまして、、やっぱりメーカーなんだよなぁ、、と感心したところです。
ここのマーケティングの方に、当店のお客さんでBRに関しとても素晴ら
しい取り組みをなさっている方がいらっしゃる旨話しましたら、、「まさか
これか、、、」と見せてくれました。BRに関してのあらゆる情報をWEB
で収集しているようです。その取り組みには脱帽しました。

詳しくは存じ上げないのですが、
スタッフから贈られた物だと思います
展示してくれているのは日本人としては嬉しい限りです。アニメ業界
は結構自転車好きな人が多いですからね。当店でも、4年ほど前
ですが、アニメ関連のお仕事の方が、ピンクのBRをお求め頂いた
ことがありましたね。それがけいおんに繋がってたりして(笑)。
2月26日追記
送られたイラストはけいおんとは特段の関係もなく、自転車を愛する
アニメフリークの同人誌系の方々より贈られたもの、とご指摘ありました。
お詫びの上訂正いたします。

お昼休みに、ふと外を見ると、アンドリューとBRユーザーが
にこやかに談笑してました。この機体もしっかり使い込まれ
BRがどのようにロンドン社会に浸透しているのか判る様な
気がしました。後で、アンドリューに”なじみのお客さんか?”
と聞いてみると、”タバコを吸いに外に出たら、声をかけ
られたんだよね”と笑ってました。ひょっとすると設計した
ご本人とは知らずに話していたのかも、、。
この方もですが、とにかくロンドンの人たち180cm級の
人が多い。そんな人でもしっかり乗れるようになっている
のがBRの素晴らしさですね。

工場見学の後は新商品の開発、ブロンプトンが目指す未来
に関して色々とお話を伺いました。以前に、ブロンプトンは、
自転車そのものを造る、というより、自転車のある生活を
如何に設計するか、、を目指しているのだ、、的な話を聞いた
ことがありましたが、まさにその通りでした。現在は自転車
そのものは完成の域に入ってますので、それを如何に使い
易くするのか、如何に使っていくのか、、を開発していく、、
ということでした。魅力的なアクセサリーや、、ロンドン市南部
で実験が始まったという、ブロンプトンロッカー。普通のメーカー
とは目指している未来が違うんだなぁ、、と感心した所です。

ブロンプトンが目指す、未来のひとつ、所謂”スーツライディング”に対応
したサイクリングジャケットです。この辺はBWC(ブロンプトン世界選手権)
が如何に受け入れられているか、、が判るところですね。自転車
に乗る際の服と、降りてからの服というのは要求される機能が全く
逆ですが、それをブロンプトンなりの解釈でまとめています。ジャケットに
ネクタイ、といういでたちで如何に機能的に自転車に乗るか、、を目指し
たジャケットといえます。反射材の使い方、襟元の処理、腕繰りのよさ、
夜間走行での目立ちやすさ、、など考え抜かれた機能がいっぱい。
やっぱり乗り込んでいる人たちでないとこういったアイデアは出ないなぁ
と感心。職業柄、こういった服は着ることが少ないですが、これなら着ても
いいかなぁ、、。

販売店では対処しきれない機体でメーカーに送られてきたものを
直すセクションです。この機体はすでに15年ほど前のもので、それ
でもしっかり直せば問題ない、ということでした。このセクションで、
Rスイングアーム交換、ピラーシムの交換、、などの重整備を実演
していただきました。幸か不幸か私は経験の無い作業で、その手際
がどの程度素晴らしいものか実感できませんでしたが、ご一緒しま
したショップさんからは驚きと賞賛の声が多々漏れていました。
フレームさえしっかりしていれば現行の部品を使って走れるように
出来る、これがBRの魅力のひとつですね。
フレームにあって注意してもらいたいのは、ヘッド部分のヒンジ
溶接部分だそうです。現行品ではほとんど無いに等しいそうですが
2005年までのモデルは、まれにクラックが入るものがあるそうです。
私の愛車は大丈夫でした。わが愛車は7年前のものですが、現行品
とは結構な部分が変わっており、改めて驚きました。でも、このころ
のもののほうが温かみがある、、といってくれたショップさんも
いらっしゃり、大事に乗り続けようと思いました。
この後、ブロンプトン社、、、編その2に続きます。いよいよBR社の中心的な
人物たちとの交流の時間です。ますます私見が強いお話になしますので、
ご意見違える方々はお心安く読み流していただき、ご不明の方は売場まで
お尋ねくださいませ。
次回も乞うご期待です。