自転車は慣性の乗り物、、
2011年 09月 03日
充実感のある経験となりました。走りながら見えてきた由無し事をつづって
見たいと思います。
基本的に、私は職業柄「自転車と言う乗り物を如何に理解するか」を
念頭に置きつつ自転車に乗っているつもりです。その際に実は有効なのが
世間一般からすると
あの人おかしいんじゃ?
と言われるような機材の組み合わせを真面目にやってみることなんです。
その際たるものが今回のキャリーミーチャレンジと言えますね。こういった
経験を積みますと、何故ロードレーサーがああいった形に進化していったのか
頭だけではなく、体で思い知ることが出来るのです。
そういった意味で、自転車とは
慣性の乗り物
であると言うことを痛烈に再確認いたしました。何故700cなのか、、何故ディープリム
なのか、、と言うことですかね。それ位、今回の8インチは慣性、と言う力が働き
ませんでした。足を止めればスーッと速度が落ちてしまう、一寸向かい風が
出たくらいで、ガクッと速度が落ちてしまう、、一寸勾配がつこうもんなら、あっという間に
ヒルクライムモードです。
それを痛烈に体に刻み込んだのが
筋肉痛
です。まぁ、、私くらいのへぼであれば、140k近く走れば筋肉痛は出ます(という
よりそうなるように飛ばすんですが)。しかし、今回は筋肉痛の種類が違った
感じです。大体その日は痛くても翌日の夕方には消えてしまうのが常でしたし
過去数回の旭川行脚でもそうでした。しかし今回は3日経った今でも筋肉の
張りを感じます。それも、筋肉量の多いと言われる裏腿から澱筋にかけて、、
張っているのです。
平均時速17kを維持するために、慣性のあるホイルであれば必要のない所まで
脚に出力を要求していたのか、、と言うことの証左であるように思うのですね。
また、「慣性に裏打ちされない高速のギア比はあまり意味がないのかも、、」
とも思わされました。キャリーミーDSは、低速側のギアで私の足で大体
17,18kの巡航速度でした。ギア比が1,65倍になるスピードドライブという
変速機が搭載してありますので、高速側に変速して、、30k/hで走りたい、、と
思うものの低速側で回しきってから高速に変速しても、せいぜい22,23k/h
位までしかスピードが乗らないんですねぇ。コレは結局、机上の理論で1,65倍に
したところで、慣性の不足を補うべく筋肉が出力できなければ、速度は出ない、と
言うことなんでしょう。
私物の29インチシングルと、キャリーミーの低速は実は巡航速度自体は
あまり変わらないくらいのギア比の設定になっています。それなのに、29シングル
の場合は変速なしでも30kまではなんとか引っ張れるのに、キャリーミーでは
変速を入れても難しい、、のです。ある程度頭ではわかっていましたが、ここまで
実体験として身にしみたのは初めてです。
同様のことは、仮にBD-1でTTレーサー(700cで、56×11)とペダル一回転で
進む距離が同じギア比を実現しても、TTレーサーより速く巡航するのは不可能(もしくは
TTレーサー以上の出力が必要)と言うことでもいえると思います。
理屈で考えれば当たり前のことなんですが、その辺が頭の悪い私としては
体で思い知らないと覚えないんですね(笑)。
小径車は、ホイルの慣性が不足しているので、それを細かなギアで補う必要がある、
と考えておりましたが、キャリーミーくらいの極小径車になると果たしてどうなんだろうなぁ、、
といぶかりながらカムイコタンあたりを走っておりました。現状の2段変速であれば
実は活躍の場は少ないのかもしれませんね。この辺はかなり私見の多い所ですので
ご意見違える、と言う方は読み流してください。
理想を言えば、シマノのアルフィーネ11とか、ローロフの14などの細かく刻んだ
内装変速ハブを内蔵した8インチホイルを作ってキャリーミーに入れてくれればかなり
改善されるだろう、、と思うのです(笑)。誰かやってくれないかなぁ?
と、色々感じたままを徒然なるままに書きなぐってきましたが、個人的にはとても
いい経験が出来たと思います。少なくとも裏腿から殿筋、脹脛にかけてあれだけ筋肉痛
が起きた、ということは、ペダリング自体は結構いい感じなのでは?と思ったわけです。
本当は、ロードで300kとか行けばまた違った所が見えてくるんでしょうけども、
私は私の変な視点を大事にさせていただきます(笑)。

ちなみに、本ツアーの白眉となった映像です。自転車にカバーをかけて高速バスに乗り、
膝の間において札幌まで帰ってきました。こんな芸当はCMにしか出来ません。こんな
車両でもやれば出来るんです(笑)。しかし、、、札幌で降りるときに脚が固まってしまい
脚が開かず、降りるのが大変でした、、、。
念のために申し上げておきますが、以上の分析は、決して小径車両をくさす目的で
述べたのではありません。本来の目的とは違っていても、人間が頑張ればこんなことが
出来ます、、その過程で判ったことを述べただけです。その上で、バス停について
3分で乗車準備完了、あっという間に車上の人になれる、、と言うロードレーサーでは
逆立ちしても出来ない楽しみ方を表現したつもりなのです(笑)。
今回も私見のオンパレードでご気分害された方いらっしゃいましたらごめんなさいねぇ。
詳しくは売場にてお尋ね下さい。