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何故、エンドモーフタイヤにスパイクがないのか、、

タイトルの疑問、、、よく売り場で聞かれることなんですね。もちろん私は設計側の人間ではありませんので、正確なところはわかりませんが、その理由を、私なりに考えてみたいと思います。以下かなり個人的な見解となりますので可笑しいなぁ、、と思われる部分も多々あろうかと思いますが、笑って読み流してくださいね。  

1)重くなる
エンドモーフタイヤは、意外に思われるかもしれませんが、軽量化にはかなり神経を使って作られているタイヤなんだそうです。あの太さですからもちろん軽くはないですが、あのサイズ、という事を考えれば十分計量に出来ているそうです。カタログによれば、2,7幅のDHタイヤより軽くできているそうですよ。また、PUGが走って軽い、、という感想をお持ちになる方が多い理由の一つに、走行抵抗の少ないパターンのタイヤになっている、、ことがあげられるでしょう。エンドモーフタイヤの滑りにくさ、というのはスパイクタイヤとは全く逆のベクトルで出来ています。スパイクタイヤは路面に文字通り「食い込む」ことを念頭に置いて設計されており、その分どうしても走行抵抗が増えてしまうわけです。これはアイススパイカーなどのフルピンスパイクタイヤにお乗りの方であればご理解いただけるはずです。その分、完全に凍結して、凸凹もないような磨かれた路面でもしっかりタイヤが食い込んで滑らない、、という事になりますね。エンドモーフタイヤはそれと全く逆な発想で出来ており、接地する面積をタイヤの幅で確保します。そしてタイヤが太い、、つまり低圧で乗ってもリム打ちしにくいという事を利用してさらに接地面積を広げるのです。そして低圧にすることにより、下からの細かな突き上げをタイヤで吸収してしまい、タイヤの接地抵抗を奪うような突き上げをも吸収してしまうわけです。こうして転がりやすいパターンのまま接地面を動かさないような工夫で、接地したタイヤ面が、回転により路面から離れるまでおそらくそのまま押し付けられっぱなしになり食い込むことなく滑らない、、様になっているのだと考えます。こうして接地抵抗はありつつ転がり抵抗はすくない、、が実現されるわけです。
ここで大事なことは、超低圧である、という事です。タイヤが、凸凹路面で転がろうとする際には下からの突き上げがあります。この突き上げというのは、タイヤが回ろうとする慣性を殺す方向に働きます。その突き上げをタイヤが見事に吸収する、、訳ですね。結局突き上げがほとんどないような滑らかな路面を走っているのと同じ効果を得ることが出来、スムーズに前進できるわけです。PUGに乗った方とお話ししていますと、その巡航能力、に驚かれる方がいらっしゃいます。アスファルトの上では敬遠される、「広い接地面積、低圧、」というのは路面が鏡のようにきれいな場合にのみあてはまる話であり、雪の上のように路面自体が不安定な場合はどちらかと言えばタイヤは柔らかいほうが良い、、と言えると思います。そして、、持つと重いなぁ、、と思ってしまう極太タイヤホイルも、回転が上がりある程度の巡航レベルになれば、慣性が上がる、、方向に働くわけなんですね。
と、長々と述べてきましたが、この考察が正しければ、スパイクピンをつける、という行為そのものは、実はエンドモーフタイヤの利点を多くの場面で殺してしまう、、という事なのではないでしょうか?ピンをつけるためには凸凹のはっきりしたタイヤのトレッドにする必要があり、タイヤ自体も重く、走っても重い、、という事になりやすいのでは、、と考えます。

2)そもそもスパイクが必要と考えていないのか?
これは、最近考え始めたことです。MoonLanderが紹介されるにあたって、実はこの手の自転車はアラスカで大人気であることがわかってきました。という事はそもそもスパイクが必要な状況で使われていないのかも、、、と思ってしまったわけです。札幌の冬に自転車にお乗りの方であればご理解いただけると思いますが、スパイクがないとダメだぁ、、と思ってしまうような状況というのは、実は氷点を超えて気温が上がってしまったときに出現します。たとえば日中の最高気温が2度まで上がり初音ミクが崩れてしまった、、、その翌日は氷点下10度まで下がったおかげで町中スケートリンクになった、、、など。また、気温は上がらなくても自動車が走り回って路面の温度が上がったところなどは日中は溶けても、夜から朝にかけて再び凍結してしまい、やっぱりスパイクがないとすべるぜ、、、となってしまいます。
こういった状況で自転車に乗っている私たち、、、を想定していないのでは?と思ったわけなんですね。アラスカで使われることを想定するのであれば、あそこは氷点下30度とか50度とか平気で下がっていくでしょう、、そういった所であれば多くの路面で氷点を超えることがないわけです。という事は路面が凍ってしまってエンドモーフタイヤでは滑る、、様な状況自体がほとんどない、、と考えるべきなのではないでしょうか?
極寒のシベリアでは、河川が凍結してしまい、そこを猛スピードでトラックが走っていく。気温が低すぎて雪が解けないためにタイヤが滑る、ことがないのだ、、というお話を聞かれたことはありませんか?FATBIKEというのはそう言った状況を考えて作られているのかもしれませんね。

こう考えてくると、FATBIKEにスパイクタイヤが出てくるには、札幌のような条件で使われる車両がどんどん増えていく、、必要があるのでは?と考えてしまいます。よくよく考えれば、実は冬の札幌というのは路面状況のバリエーションの豊富さ、という点では世界でも類を見ないほどさまざまな状況があり得ているのかもしれません。SURLYスタッフのみなさん、、こんな商品開発に適した状況は珍しいかも!!是非、雪の札幌に、、

カモーーーン!

今シーズン、私はスパイク長尺とFATTIREの2台体制で雪道に挑んでおりますが、これがきわめて幸せなことであることが改めてわかりましたねぇ、、、。

私見ばかりでした、、ご不明の方は売り場までお尋ねくださいませ。
by shugakuso3 | 2012-02-13 07:06

『自転車旅』好きなスタッフの遊び記録やお得情報


by shugakuso3
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