積水ハイム真駒内スタジアムカップ2012 雪道とFIX
2012年 03月 01日
以前にこう言った投稿をしました。
当日は滑るだろうから、、スパイクタイヤの方がいいですよ、、、と主催者の方がいうくらいですから、本当はスパイク長尺で行こうか、、、と考えていたのを白状いたします。ですが、お客さんでもPUGで行くぜ、、と言ってくれた方がいらっしゃったこと、かつての投稿が本当なのか、、、を自分なりに確かめるべくFATで行ったわけです。そして行ってみたら、、、次の点が面白かったですし、かなり有効に働いたのでした。
1)ブレーキを握らない
勿論、私の車両には、グレードは低いもののディスクブレーキが付いています。しかし、本レースにあっては結局ブレーキを握りこむことはなく、すべての減速を脚の逆踏み、もしくは自然な減速(いわゆるエンジンブレーキ)で行いました。これは、以前の投稿にもありますように、減速を脚で行った方が路面のμを感じ取りやすく、ブレーキを握りこんで減速するより安全なのでは?と思ったためです。正確には、握って減速して比較してみなくてはわかりませんが、こちらの方が滑らない程度に減速しやすかったのでは、、と感じています。一回、テールトゥノーズで走っているときに前の車両がバランスを崩しあわや、、となった際にスキッドの要領で減速しつつ、前の車両をかわしすぐさま加速、、という事が可能でした。ひょっとしてパニックブレーキで落車、、という状況だったかもしれませんね。この落車の恐れのあるところ、、と言えば、実は下り坂、、ではなく競技場内に入ってきた後の平地部分、シケイン状に作られたヘアピンカーブだったり、速度がそれなりに上がって来るであろうRの大きなカーブだったような気がしています(スケートリンクの上ですものねぇ)。そう考えれば踏込も減速も同じところで出来たことで、かなり落車を防げたのでは、、と考えています。
2)スピードが出なかった。
登りセクションに合わせてギア比を決めていたのはお伝えしました通りです。結果的に平地部分での速度が大したことがありませんでした。しかし、24×21とは言いながらもホイルの外周で考えればほぼ29インチと同じ、もしくは大きいくらいですから、多段変速付の26インチMTBの巡航速度、とあまり差はなかったのでは(路面状況も大変でしたからね)、、と考えています。その巡航速度が必要以上に上がることがなかったために、滑りやすい路面で減速が足りずに前輪が逃げる、、、様な落車を結構な割合で防げたのでは、、と思うんですね。これは、私がへたっぴである、事とも大いに関係してきますのでいいか悪いかは判断が難しいですが、少なくとも今回はプラスに働きました。平地部分では必ずしも早くは走れなかったわけですが、コース状況から、平地部分で抜かれることはとても少なく(それほど走り易いところが少なかったのですね)、平地部分で抜かれることなく登りにたどり着ければ、次の周回では後続を振り切れる、、、ことが何回かありました。そういった意味では、コースコンディションにも助けられていますね。
また、スピードが出ない、、という事は、一定以上の体力を一気に消費することが少ないという事です。仮にフリーの多段ギアをつけていたら、前半の間に上りで調子に乗って、下り、平地でどんどん踏み込んでしまい、後半たれまくり、、という事にもなっていたのでは?とふと思いました。限られた体力を一定量小出しにすることで後半の疲れを最小限に抑え、集中力が切れることによる落車、、などを防いでいたのでは?と思った次第です。
脚が止められない)
これはFIXギアの宿命ですね(笑)。ロードに取り組む人のブログで、「登りで足を酷使した後、下りで足を止めたまま走っていると老廃物がたまって、脚が終わるのが速くなる。負荷はかかっていなくても常に脚を回し続けることで血流を促進して、老廃物がたまらないようにするのだ」というのを読んだことがあります。その意味では、今回は「止められない(笑)」わけですから、老廃物がたまるのも結構遅かったのでは?と思ったりするわけです。のぼりで何度も足がつりそうになりましたが、結果的にぎりぎりの一線を越えることはなくゴールすることが出来ました。それは、下りや平地部分で脚に負荷がかかるわけではない程度、、の状態で脚を止めることなく回し続けたことによる部分が大きかったのでは?と考えています。
総括)
こうやって考えてきますと、先の分析FATTIRE、そして今回FIXギア、、ともに速く走るという観点からはちょっとおかしいんじゃない?という事を書いているなぁ、と自分でも思います。気が付いたのは、両者ともに共通しているのは、速く走るため、、というよりは
とにかく走る、、走り続ける
ために必要なことばかりじゃないか、、、という事でした。そう、今回のレースはとにかく走り続ける(なるだけ効率的に)、、ことを念頭に置いて走っていたら、自然と順位がよかった、、という事なんですね。という事はいかに過酷な状況で皆さん走ってらっしゃったのかご想像頂けると思うわけです。
路面状況、タイヤの選択、ギア比の選択など、、すべてのものが意図してない部分で有機的にかみ合って自分では考えられない様な走りが出来ました。もうこんなラッキーなことはないでしょうね。
この大会、PUGで参加するのは3回目です。MTBが走れるようなコース設定がなされる大会でMTBよりも速く走るのは基本的に無理、、というのは判った上でしつこくこれで出てきました。雪道レースの場合は、天候によるコースの変動の幅が大きいので、「いつか、こいつが圧倒的に有利な日が来る、、」と信じればこそ、、でした。それが、今日だった、、というわけですね。まさに千載一遇の好機だったと思います。
実際2時間のたうちまわった結果こんなことを考えました。これが正しいか否かは私にはわかりません。ただ、入賞、という結果はついてきてくれましたので、FATTIREの合理性に関しては一応の説得力を持たせることが出来た、と自負しております。しかし自転車ってのは本当に奥が深いですね。
これからもいろんなことに取り組んでこの素晴らしい乗り物の神髄、可能性を追求したいものです。
ご不明は店頭にてお尋ねください。